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竹田 武司
JAEA-Data/Code 2021-006, 61 Pages, 2021/04
ROSA-V計画において、大型非定常実験装置(LSTF)を用いた実験(実験番号: SB-PV-09)が2005年11月17日に行われた。ROSA/LSTF SB-PV-09実験では、加圧水型原子炉(PWR)の1.9%圧力容器頂部小破断冷却材喪失事故を模擬した。このとき、非常用炉心冷却系(ECCS)である高圧注入系の全故障と蓄圧注入(ACC)タンクから一次系への非凝縮性ガス(窒素ガス)の流入を仮定した。実験では、上部ヘッドに形成される水位が破断流量に影響を与えることを見出した。アクシデントマネジメント(AM)策として、両ループの蒸気発生器(SG)逃し弁開放によるSG二次側減圧を炉心出口最高温度が623Kに到達した時点で開始した。SG二次側圧力が一次系圧力に低下するまで、このAM策は一次系減圧に対して有効とならなかった。一方、炉心出口温度の応答が遅くかつ緩慢であるため、模擬燃料棒の被覆管表面最高温度がLSTFの炉心保護のために予め決定した値(958K)を超えたとき、炉心出力は自動的に低下した。炉心出力の自動低下後、低温側配管内でのACC水と蒸気の凝縮により両ループのループシールクリアリング(LSC)が誘発された。LSC後、炉心水位が回復して炉心はクエンチした。ACCタンクから窒素ガスの流入開始後、一次系とSG二次側の圧力差が大きくなった。ECCSである低圧注入系の作動を通じた継続的な炉心冷却を確認後、実験を終了した。本報告書は、ROSA/LSTF SB-PV-09実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。
竹田 武司
JAEA-Data/Code 2018-003, 60 Pages, 2018/03
LSTFを用いた実験(実験番号:SB-PV-07)が2005年6月9日に行われた。SB-PV-07実験では、PWRの1%圧力容器頂部小破断冷却材喪失事故を模擬した。このとき、高圧注入(HPI)系の全故障と蓄圧注入(ACC)タンクから一次系への非凝縮性ガス(窒素ガス)の流入を仮定した。実験では、上部ヘッドに形成される水位が破断流量に影響を与えることを見出した。一番目のアクシデントマネジメント(AM)策として、手動による両ループのHPI系から低温側配管への冷却材の注入を炉心出口最高温度が623Kに到達した時点で開始した。炉心出口温度の応答が遅くかつ緩慢であるため、燃料棒表面温度は大きく上昇した。AM策に従い、炉心水位が回復して炉心はクエンチした。また、二番目のAM策として、両ループの蒸気発生器(SG)逃し弁開放によるSG二次側減圧を一次系圧力が4MPaに低下した時点で開始したが、SG二次側圧力が一次系圧力に低下するまで一次系減圧に対して有効とならなかった。ACCタンクから窒素ガスの流入開始後、一次系とSG二次側の圧力差が大きくなった。本報告書は、SB-PV-07実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。
竹田 武司
JAEA-Data/Code 2015-022, 58 Pages, 2016/01
LSTFを用いた実験(実験番号: SB-HL-12)が1998年2月24日に行われた。SB-HL-12実験では、PWRの1%高温側配管小破断冷却材喪失事故を模擬した。このとき、高圧注入系の全故障とともに、蓄圧注入系(ACC)タンクからの非凝縮性ガス(窒素ガス)の流入を仮定した。また、アクシデントマネジメント(AM)策として両ループの蒸気発生器(SG)逃し弁全開による減圧を燃料棒表面最高温度が600Kに到達直後に開始した。一回目のボイルオフによる炉心露出に起因したAM策開始後、一次系圧力は低下したため、炉心二相混合水位は上昇し、燃料棒表面温度は635Kまでの上昇にとどまった。低温側配管内でのACC水と蒸気の凝縮に誘発されたループシールクリアリング(LSC)前に、二回目のボイルオフによる炉心露出が生じた。LSC後速やかに炉心水位は回復し、燃料棒表面温度は696Kまでの上昇にとどまった。窒素ガスの流入開始後、一次系とSG二次側の圧力差が大きくなった。SG伝熱管でのリフラックス凝縮時に、三回目のボイルオフによる炉心露出が生じ、燃料棒表面最高温度が908Kを超えた。本報告書は、SB-HL-12実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。
竹田 武司
JAEA-Data/Code 2014-021, 59 Pages, 2014/11
LSTFを用いた実験(実験番号: SB-CL-32)が1996年5月28日に行われた。SB-CL-32実験では、PWRの1%低温側配管小破断冷却材喪失事故を模擬した。このとき、非常用炉心冷却系である高圧注入系の全故障とともに、蓄圧注入系(ACC)タンクから非凝縮性ガスが流入しないと仮定した。また、アクシデントマネジメント(AM)策として両ループの蒸気発生器(SG)二次側減圧を破断後10分に一次系減圧率200K/hを目標として開始した。AM策開始後、SG二次側圧力の低下にしたがって一次系圧力は低下した。クロスオーバーレグの下降流側水位の低下とともに、ボイルオフによる炉心露出が開始した。一回目のループシールクリアリング(LSC)後速やかに炉心水位は回復し、模擬燃料棒表面温度は669Kまで上昇した。一次系減圧にしたがい低温側配管内でのACC水上の蒸気凝縮に誘発された二回目のLSC前に、ボイルオフによる炉心露出が生じた。二回目のLSC後速やかに炉心水位は回復し、観測された燃料棒表面最高温度は772Kであった。ACC隔離後、低圧注入系の注水による継続的な炉心冷却を確認して実験を終了した。本報告書は、SB-CL-32実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。
高瀬 和之; 秋本 肇
Applied Electromagnetics in Materials, p.177 - 178, 2001/00
本研究は、真空容器内冷却材侵入(ICE)事象時に核融合炉内で起こる水-蒸気二相流挙動をICE統合試験装置を使って実験的に調べ、またTRAC-PF1コードを使って実験結果を数値的に検証したものである。ICE事象統合装置は核融合実験炉(ITER)の構成要素を約1/1600で縮小簡略モデル化しており、プラズマチャンバー,ダイバータ,真空容器,サプレッションタンク等から構成される。実験ではプラズマチャンバーからダイバータを通って真空容器に流れ込む二相流挙動を可視的に明らかにした。また、ダイバータ部分に存在する真空排気スリットの断面積と流動抵抗の関係を定量的に明らかにした。さらに、冷却材侵入時の最高到達圧力をTRAC-PF1コードを使って5%以内の誤差で予測可能であることを一連の実験結果との比較から明らかにした。
H.Lee*; H.Seong*; G.Park*; 熊丸 博滋; 久木田 豊
Proc. of ASMEJSME 4th Int. Conf. on Nuclear Engineering 1996 (ICONE-4), 3, p.41 - 50, 1996/00
本論文は、ROSA-IV/LSTFで実施された10%主蒸気管破断実験のRELAP5/MOD3コードによる解析の結果を示す。解析の結果、RELAP5/MOD3コードは、実験結果、特に重要なパラメータの傾向を妥当に計算できることが明らかになった。ただし、詳細な点では上部ヘッドで発泡が生じた期間には1次系圧力に若干の不一致が見られることが明らかになった。また、破断口の放出係数及ぶ気水分離器ドレンラインの損失係数に関する感度解析を実施した。これらのパラメータは、2次系の蒸気クオリティ及び破断流、従って2次系の水インベントリの変化に大きな影響を及ぼす。感度解析の結果、破断口の放出係数=0.85及び気水分離器ドレンラインの損失係数=10の場合に、解析は実験結果を良く予測することが明らかになった。
大貫 晃; 秋本 肇; 村尾 良夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 32(3), p.245 - 256, 1995/03
被引用回数:1 パーセンタイル:17.52(Nuclear Science & Technology)二流体モデルに基づく最適評価コードの一つであるREFLA/TRACコードのPWR小破断LOCA(SBLOCA)解析に対する予測性能を評価した。主な評価課題は、低圧低流量条件で検証されたREFLA/TRACコードが高圧低流量条件でSBLOCAに対し、適用できるか否かを調べることであった。評価計算はROSA-IV LSTF試験SB-CL-05(コールドレグ5%破断試験)を対象に行った。評価した結果、REFLA/TRACコードはオリジナルのTRAC-PF1コードと同等以上の予測精度で小破断LOCA解析に適用できる事を確認した。特に炉心内の水力モデルは高圧条件下であっても高い適用性を有する。炉心露出のタイミングを精度よく予測するためには、適切な臨界流モデルを使うと共に、二相流下でのポンプでの圧力損失を精度良く予測する必要がある。
小泉 安郎*; 八木 純二*; 熊丸 博滋
JAERI-M 93-199, 48 Pages, 1993/10
本報告書は、原研が1990~1992年度に工学院大学に委託し実施した「フラッディング二相流の研究」の結果をまとめたものである。流路内を液相が流下し気相が上方に流れる対向流状態においては、気相流量の増加に伴い液相が上昇流に遷移する現象が見られる。この現象はフラッディングと呼ばれ、PWRの小破断LOCA時にSGU-チューブ内等で発生するが、流路下部に気液の混合物が存在する場合についてはよく理解されていない。本研究では、流体としてフレオンR-113を用いて実験を実施した。実験結果より、流路下部に気液の混合物が存在する場合のフラッディングは、気液混合物の液面最高高さが管路上端に達することにより発生することが分かった。また、著者らが既に水-空気系の実験より導いたフラッディング速度相関式は、気液の物性値の影響を考慮すれば、フレオンR-113系へも適用できることが明らかになった。
P.Bazin*; R.Deruaz*; 与能本 泰介; 久木田 豊
ANS Proc. of the 1992 National Heat Transfer Conf., p.301 - 308, 1992/00
自然循環による一次系の冷却は、加圧水型原子炉の事故時の挙動を理解するうえで非常に重要である。そこでフランスのBETHSY装置及び原研のROSA-IV/LSTF装置を用いて対応実験を行なった。両装置はPWRをそれぞれ1/100(BETHSY)及び1/48(LSTF)の体積比で模擬している。実験は、二次系圧力及び水位を一定とし一次系の冷却材量をパラメーターとして定常的に行なわれた。実験結果は全体的な熱水力挙動が両装置で良く一致する事を示した。特に、単相自然循環、二相自然循環及びリララックス凝縮様式の繊維条件は両実験で一致した。自然循環流量や蒸気発生器細管での逆流挙動については実験で差が見られたが、それらは、装置の流動抵抗の差等の違いで説明する事ができた。
井口 正; 榊 勲*; 岩村 公道; 秋本 肇; 大久保 努; 大貫 晃; 安達 公道*; 村尾 良夫
JAERI-M 91-172, 154 Pages, 1991/10
複合注水型ECCSを備えたPWRのLOCA時に重要な、炉心と上部プレナムとの境界における対向流制御(CCFL)現象を解明するために、平板第3次試験装置(SCTF-III)により試験を行った。試験では炉心に蒸気を注入して上昇蒸気流を形成し、上部プレナムに注水してCCFLを起こさせた。試験の結果、大規模の実半径炉心では、上部プレナムから炉心への落水は一様ではなく局所的に生じ、他の領域を蒸気が集中して上昇することが分かった。また、落水は上部プレナム内の水温の低い位置で生じ、落水面積は蒸気流量の減少に伴い増加した。典型的なPWRの条件に対しては、落水面積比は約20%だった。このときの落水流量は、小規模試験結果と同様に低水温ほどまた小蒸気流量ほど増加するものの、その値は落水と上昇蒸気の領域分離のため小規模試験結果からの予測値に比べて約10倍になることが分かった。
与能本 泰介; 田坂 完二*
Int. J. Multiph. Flow, 17(6), p.745 - 765, 1991/00
被引用回数:50 パーセンタイル:87.33(Mechanics)成層二相流領域から小破断口への液体及び気体のエントレインメントについて理論的及び実験的な検討を行なった。すべての破断形状について簡単に使用する事ができるように、以前に得られた理論式を破断流量、破断クオリティ及び水位の関係を示す式に修正した。さらに修正された式を常温大気圧条件で行なわれた実験データで評価した。実験結果は破断口周辺の流動条件が対称的である場合、本修正式とよく一致した。実験で観測された渦や横流れや波状流の影響については、本モデルを基にしてその相関関係を明確にした。この相関式を用いる事により高圧の水蒸気実験を含む様々な文献のデータを予測する事ができた。
浅香 英明; 久木田 豊; 与能本 泰介; 小泉 安郎; 田坂 完二
Experimental Thermal and Fluid Science, 3, p.588 - 596, 1990/00
被引用回数:18 パーセンタイル:76.54(Thermodynamics)LSTFによる0.5%コールドレグ破断向き効果実験(横向き、下向き及び上向き)の結果と本実験をRELAP5/MOD2コードを用いて解析した結果の報告である。実験から、破断向きの相違による一次系内熱水力挙動の相違は小さいことが判った。しかしながら、(二相)破断流量は、下向きの場合よりも横向きの方が大きくなるという興味深い結果が得られた。RELAP5原型版では破断流量の予測性能が不充分であったため、計算された一次系内の熱水力挙動は、実験結果と大きく異なった。同コードの臨界流モデル及び破断口における水/蒸気エントレインメントモデルを改良することにより、予測性能が著しく改善され、破断向きの相違による破断流の相違を定量的に予測することに成功した。本改良コードを用いた解析を通じて、横向きと下向きにおける破断流量の相違は、水位振動に伴う破断流量(クオリティ)の非線形振動に起因することを示した。
久木田 豊; 片山 二郎; 中村 秀夫; 田坂 完二
Nucl. Eng. Des., 121, p.431 - 440, 1990/00
被引用回数:11 パーセンタイル:72.19(Nuclear Science & Technology)PWRの小破断冷却材喪失事故(LOCA)においては、非常用炉心冷却水が1次系ループのクロスオーバーレグ部内に落下してこの部分を水封し、炉心で発生する蒸気によってこの封水がコールドレグへ排出される(ループシールクリアリング)という現象がくり返し発生する可能性がある。また、ループシールクリアリング過程では炉心水位が一時的に低下し、炉心上部が一時的に露出する可能性がある。本現象をROSA-IV LSTF装置により実験的に調べ、ループシールを通過する蒸気流量と1次系内冷却材分布が相互に連成して変動することによって上述のような非定常なループシール挙動が生じうることを明らかにした。
浅香 英明; 田坂 完二; 小泉 安郎*; 久木田 豊; 与能本 泰介
Proc. of the 4th Int. Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics, Vol. 1, p.206 - 213, 1989/10
LSTFによる0.5%コールドレグ破断向き効果実験(横向き、下向き及び上向き)の結果と本実験をRELAP5/MOD2コードを用いて解析した結果の報告である。実験から、破断向きの相違による一次系内熱水力挙動の相違は小さいことが判った。しかしながら、(二相)破断流量は、下向きの場合よりも横向きの方が大きくなるという興味深い結果が得られた。RELAP5原型版では破断流量の予測が不充分であったため、計算された一次系内の熱水力挙動は、実験結果と大きく異なった。同コードの臨界流モデル及び破断口における水/蒸気エントレイメントモデルを改良することにより、予測性能が著しく改善され、破断向きの相違による破断流の相違を定量的に予測することに成功した。本改良コードを用いた解析を通じて、横向きと下向きにおける破断流量の相違は、水位振動に伴う破断流量(orクオリティ)の非線形振動に起因することを示した。
安濃田 良成; 久木田 豊; 中村 秀夫; 田坂 完二
Proc. on 1989 National Heat Transfer Conf., Vol. 4, 8 Pages, 1989/00
大口径(180mm)水平管内の高圧(3~11.9MPa)2相流の流動様式遷移について実験的研究を行なった。流動様式は、主にビデオプローブによる目視観察に基づいて判断した。実験の結果、分離流からスラグ流への遷移条件は、マンデーン等の線図よりかなり高いみかけの液流速で生ずることが明らかとなった。また、圧力が高くなると界面の波の様相が変化し、8.7MPa以上の圧力下では、スラグ流が発生しなくなる。しかし、それ以下の圧力においては、スラグ流遷移条件として、Taitel-Duklerの相関式の蒸気流速のかわりに蒸気と水の相対速度を用いた修正Taitel-Dukler相関式が、比較的良い相関を与えることがわかった。しかし、なお、系統的な圧力の影響、すなわち、圧力が高くなるにつれて、遷移するために必要な相対速度が増加するという傾向が明らかとなった。
与能本 泰介; 小泉 安郎; 田坂 完二
Nucl.Eng.Des., 92, p.195 - 205, 1986/00
被引用回数:1 パーセンタイル:20.71(Nuclear Science & Technology)ROSA-III装置は、LOCA/ECCS総合実験のための電気加熱炉心を有するBWRの1/424の装置である。本装置を用いてHPCSの単一故障を伴う破断面積200%,50%及び15%の再循環ポンプ入口側配管破断実験を6実験おこなった。破断口として薄刃オリフィス又は、のど部の長いノズルを用いた。実験において、破断口形状の違いによる破断流量の差は、破断口上流がサブクール状態である場合にのみ表われること及びオリフィスを通る流量がノズルを通る流量より大きいことが示された。又破断口形状の差は、他の系挙動,特に被覆管最高温度に対して、ほとんど影響しなかった。RELAP4/MOD6/U4/J3コードを用いて解析することにより、15%破断実験結果のBWRへの適用性が確認された。実験結果は、コードによりよく計算され、同じ挙動がBWR解析においても計算された。
鈴木 光弘; 田坂 完二; 与能本 泰介; 安濃田 良成; 熊丸 博滋; 中村 秀夫; 村田 秀男; 入子 真規*; 斯波 正誼
JAERI-M 85-037, 224 Pages, 1985/03
本報告書は、BWR/LOCA現象の総合実験装置であるROSA-IIIにおいて実施した再循環ループ吐出側配管破断実験の結果をまとめたものであり、既刊の200%破断実験結果と比較することにより、破断面積がLOCA現象に及ぼす影響を明らかにした。吐出側配管破断実験は、破断面積をパラメータにした200%、100%、50%の3実験のみであるが、吐出側配管破断時の現象を支配する要因は、圧力容器から破断口に至る経路の最小choking流路面積にあることを明らかにした。即ちジェットポンプ駆動ノズル面積(Aj)、再循環ポンプ吐出ノズル面積(Ap)、破断口面積(A)とするとき、AAj+Apではchokingの生じるジェットポンプと再循環ポンプのノズルで減圧速度が支配され、AAj+Apでは破断口において減圧速度が支配される。また、3実験の中で50%破断実験が最も高い燃料表面温度を記録した。この傾向は再循環ポンプ吸込側破断実験の傾向と同様である。
鈴木 光弘; 田坂 完二; 安濃田 良成; 熊丸 博滋; 中村 秀夫; 斯波 正誼
Nuclear Technology, 70, p.189 - 203, 1985/00
被引用回数:2 パーセンタイル:37.48(Nuclear Science & Technology)商用BWRを模擬したROSA-III実験装置において、再循環ループポンプ吐出側配管破断実験を行い、実験結果の解析及び解析コードによるROSA-IIIとBWRにおける事故事象の相似性の検討を行なった。破断口径を変えた3種の吐出側破断実験と、対応する吸込側破断実験の比較から次のことがわかった。吐出側破断時の事象は、同じ effective choking flow area を持つ吸込側破断の事象と同等である。最大の effective choking flow area は、吐出側破断では(Aj+Ap)、吸込側破断では(Aj+Ao)である。ここでAj,Ap,Aoはジェットポンプノズル面積、再循環ポンプ出口ノズル面積、再循環ループ吸込側配管面積である。このことは実機についてもあてはまる。解析コードによる相似性の検討から、下部プレナムフラッシング、水位低下による燃料棒露出等の主要事象は相似的であるが、ROSA-IIIでは破断初期の炉心出力の制限が燃料温度に影響することを明らかにした。
杉本 純; 村尾 良夫
JAERI-M 84-131, 223 Pages, 1984/06
PWR-LOCA時再冠水熱伝達に及ぼすグリッドスペーサーの影響を調べるための実験を行った。模擬炉心中央部のグリッドスペーサを移動させてグリッドスペーサの近傍での流動熱水力応答、およびグリッドスペーサ板厚の影響を調べた。クエンテ前の熱伝達率は、グリッドスペーサ直上では直下に比べて約20~50%増加した。液滴分散流領域ではグリッドスペーサ上方での液滴の細分化が、またスラグ流領域ではグリッドスペーサの早期リウェットおよびグリッドスペーサ近傍への蓄水の像かが観測された。このためグリッドスペーサによる熱伝達率の増加は、液滴分散流領域での液滴表面積の増加と、スラグ流領域での膜沸騰熱伝達の像かな主な原因と推察された。本実験に基づいて再冠水グリッドスペーサモデルを開発した。本モデルにより、グリッドスペーサ近傍での熱水力挙動が良く予測されることがわかった。
村田 裕幸*; 鈴木 光弘; 田坂 完二
JAERI-M 83-210, 105 Pages, 1983/11
本報はBWRの主蒸気管破断事故を模擬したROSA-III実験(RUN952)をRELAP5コードにより解析した結果をまとめたものである。BWRの主蒸気管破断模擬実験は、ROSA-IIIがはじめてであり、この実験で得られた特徴的な現象、例えばダウンカマー水位のスエリング、水位低下による炉心の露出、HPCS作動による冷却過程、等に対して、解析コードの適用性を評価することが目的である。RELAP5/MOD1は、蒸気流出に伴うブローダウン過程における上記特徴的現象を計算することができるが、HPCS注入後における再冠水過程に対しては、バイパス部分から炉心へ流入する部分のモデリングに工夫を要することが必要なことがわかった。主蒸気管破断事故の解析には気水分離器の過渡状態における特性をモデル化することが大切であること、また、圧力容器壁の蓄積熱が事故過程に及ぼす効果はブローダウン過程後半で炉心発熱過程になる事、等がわかった。